育児をしていると肩こりとか腰痛を経験する方は多いのではないでしょうか?長時間抱っこをしている時や、子供がハイハイでイタズラしようとしている所を、何度も抱き上げたりしていると、腰や肩が辛くなります。ここでは育児中に感じる腰痛や肩こりの痛みの捉え方について紹介していきます。
育児中の肩こりと腰痛
忙しい子育て中に、肩こりや腰痛を経験することは多いと思います。
もし、症状が出た場合はどうしていますか?
もちろん、休めるのであれば休むのもいいし、ストレッチや運動で血流を良くするなど手段はたくさんあるでしょう。
その他の対処法としては、整形外科や整体院という選択肢もあります。
ちなみに私は整形外科のリハビリで働いているので自分で評価し、治療しています。
私は毎日自分にあったストレッチや運動をしていますし、体の使い方も効率良い方法で行なっています。
基本的に腰痛や肩こりはあっても一時的です。
誰であれ、抱っこを長時間していれば、腰痛や肩こりになります。
重要なのはこの症状が一時的なのか、それとも慢性的な症状なのかです。
一時的か慢性的かでアプローチが違う
症状が一時的で、自分で腰痛の原因が理解できていれば問題ありません。
例えば、
- 抱っこを長時間していたから腰痛になってしまった。
- これは筋肉が持続的に緊張していたからだ。
- 今は痛みが残っているが、少しストレッチや休息をとれば治るだろう。
- 今度からは抱っこの時間や回数を調節しよう。
と、こんな感じに自分で原因を把握していればなんの問題もありません。
しかし、次の場合はどうでしょう。
- 抱っこを長時間していたら腰痛になってしまった。
- どこがどうなって痛みが出ているんだろうか。
- どうすれば治るんだろうか、このままずーっと腰痛と付き合って行くのか?
- しかし、子供がいるから抱っことかはしないといけない。
- これから先が不安だ。
- 抱っこをしないと子供が落ち着かないし、抱っこをすると腰痛が悪化してしまうのではないか?
いかかでしょうか?
同じ腰痛でも知っている知識の量や、捉え方で全然考えが変わってしまいます。
前者の方は、この人は腰痛を自己管理できているな、と思えます。
しかし、後者は腰痛が治らなそうだし、この先の人生が色々と大変そうだ、という印象を抱きかねません。
このように痛みに対して不安を抱えていると、痛みは慢性化して治りづらくなります。
さらにそれだけでなく、その人の人生にも影響します。
痛みに対して不安が強くなると、活動性が低下し、人間関係にも悪影響が出ます。
中には痛みを理由に仕事を休む人もいます。
このように痛みは色々な出来事の言い訳にもなるのです。
例えば、腰痛に対して不安が強い人は、これをやったら腰痛が悪化する、と根拠のないことを言って、本当はできる事をやらなかったりします。
または、今日は洗濯物を干す時間がなかった。
これはきっと腰痛があったからだ。
と言い訳をする人もいます。
本当は頑張れば出来るのに、深層心理に洗濯はやりたくない、というものがあって、腰痛をできない理由にしようというわけです。
これら痛みを理由に行動を避ける事は、無意識下に起きていることが多いと思います。
ただ、誰であれ腰に激痛が走れば不安を抱くのは当然ですよね。
腰の激痛といえば急性腰痛(いわゆるぎっくり腰)です。
ほとんどの人が辛そうです。
しかし、現状では急性腰痛を運動やストレッチで治す事はできません。
大体の場合、腰の関節や筋肉の炎症です。
炎症が治るまでは患部に負担をかけないように注意しましょう。
そして、痛みなく出来る事は行ってください。
寝たきりで治るのを待っていると、結果的に体の機能が低下します。
- 急性腰痛ほとんどが3週間程度で完治することが多い。
3週間は長そうですが、その間徐々に改善して行きます。
しかし、勝手に治る場合でも、整形外科に行きましょう。
恐らくぎっくり腰になる人は、また再発します。
原因となる悪い体の使い方が、改善されていないためです。
なるべくリハビリテーション科のある整形外科の方がいいでしょう。
理学療法士や作業療法士などが指導にあたります。
慢性腰痛の人は、明確に何週間で治るとは言い切れません。
原因が様々であるため、その人の痛みに対する考えや、生活環境、体の機能などいろんなことを引っくるめて考えなければなりません。
ただ、慢性腰痛の人に大事なこととして、腰痛には脳が関わっているということです。
本でも頭や脳で腰痛を治す、といった本があると思います。
大袈裟そうですが、意外にそうでもないんです。
痛みの捉え方を変えるだけで、その人の生活の質が変わります。
恥ずかしい話、私も5,6年間頭痛・肩こり持ちでした。
しかし、痛みの捉え方を変えると、徐々に症状がなくなり、現在は症状がほとんどありません。
たまに軽い肩こりがありますが、日常生活での支障はゼロです。
慢性腰痛の人は痛みに対し、不安や抑うつ症状の割合が高いことが多いです。
急性腰痛の人は、
- 改善する機関の目安は3週間くらい
- 寝たきりにならず、日常の事はできるだけするように
- 仕事にも行けそうだったら、普通に行きましょう
慢性腰痛の人は、
- 痛みに対する認識を変えることが重要
- 簡単にはできないが、できたら人生が変わるほど変化する
- 治療法の中で認知行動療法がオススメ
抱っこでなる腰痛の原因
子供を抱っこするといわゆる背筋(もっと細かい分類がありますが、今回は省略)が体を支えるために働きます。
また、体の前側で赤ちゃんを支えるため、腕や肩周りの筋肉も使います。
このように、ずーっと筋肉が緊張した状態でいれば誰だって疲れるもの。
筋肉中の血流が徐々に悪くなり、筋肉へ栄養が行かなくなります。
そうすると、痛みを感じる物質が生産されるように。
筋肉に栄養が来てないよーっていう、痛みという信号が発信されるわけです。
その物質を痛みの受容器が感じとって、脳に刺激が行き、初めて痛みとして感じる事に。
皆さん誰もが抱っこしていると鈍く、限局的ではない痛みが出てくると思います。
この時の痛みは筋肉の疲労による場合が多いです。
私も経験した事はあります。
抱っこをしていて、腰に鈍痛が出てくると少し姿勢を変えます。
大抵の場合、体を少し反らせることが多いですね。
なぜ、体を反らせるかというと、その方が背筋がそんなに働かなくてもいいのです。
背筋よりも腹筋を使う割合が少し増えます。
その分背筋は少し休めるわけですね。
ただ、この姿勢でずーっといるのも良くありません。
腰を長時間反らせていると、腰の関節に持続的な負担がかかります。
それによっても痛みが出てくるように。
だから、長時間抱っこをしていると、無意識のうちに腰を少し反らしたり、曲げたりを繰り返すことになります。
この腰を反らせたり、曲げたりする反応は痛みを回避するために起こる動作です。
背筋などが疲れてくると、腰を反らせたり、丸めたりして休ませます。
要は一日中偏った姿勢でいる事はよくないって事です。
子供を抱っこしていれば、両肩や背中の筋肉も緊張しっぱなしですから、これも当然筋肉への血流が不足します。
抱っこ紐を使うと、使わない時よりは長時間抱っこできます。
しかし、肩の筋肉は持続的に力が入っている事は変わりありません。
結局は長時間同じ姿勢でいれば肩こりになります。
ただ、抱っこ紐の場合は肩よりも腰に負担が多くかかります。
最後に
ここまで抱っこ時の腰痛について、これはあくまでも一般的に起こりやすい現象を話してきました。
しかし、人によって元々の姿勢や筋肉量、体の使い方も違います。
本当は一概には言えないのです。
ただ、今回話した抱っこ時の腰痛の原因は、基本的な考えだと思います。
人によって原因やそれに対する治療は、それぞれだとは思います。
しかし、一番大事なところは、痛みに対して過度な不安を持たないこと。
不安やストレスがあると、痛みが治りづらくなります。
実際の痛みよりも、強く感じてしまうことも。
これは負の連鎖となって、その人の人生をどん底の方向に導きます。
育児は体も酷使するし、精神的にも疲れる事は多いと思います。
痛み+ストレスは、とてつもない相乗効果を表します。
だからこそ、ストレスをためないようにしましょう。
なんでもいいです。
ママ友がいれば積極的に会ったり、連絡を取り合ったりしましょう。
1人で抱え込むことが、一番良くありません。
趣味でも何でもいいです。
自分に合ったストレス発散方法を見つけましょう。
そして、抱っことかで腰痛になっても、しょうがないものだと思ってください。
一時的なものであれば問題ありません。
しかし、繰り返し痛みが起きそう、または腰痛の原因や対処法が知りたい人であれば、リハビリテーション科のある整形外科を受診し、腰痛の対処法を教わってきてください。
子供もそうですが、自分達の体も大事です。
一緒に頑張りましょう。