葉酸サプリメントは妊婦さんにとって効率よく葉酸を摂取できるので、オススメのサプリメントです。
しかし、最近は葉酸サプリメントの種類が沢山あり、値段も色々。
結局どれを選んでいいのか分かりづらいのが現状です。
そこで今回は、オススメの葉酸サプリメントを医学的な観点からまとめてみましたので、それを紹介していきます。
目次
葉酸サプリメントはなぜ必要か
そもそも葉酸とは人間にとって不可欠な水溶性ビタミンです。
細胞の分化や赤血球の生産を助けるなど、とても重要な働きがあります。
さらに胎児にとっては必要不可欠な栄養素。
何故かというと、葉酸を適切な時期に適切な量を摂取すると、神経管閉鎖障害(Neural Tube Defect;NTD)の発生率を低減する効果があるんです。
神経管閉鎖障害とは二分脊椎や無脳症で知られており、葉酸の不足によって発生率が高くなります。
厚生労働省も神経管閉鎖障害の発生率を減少するために、葉酸摂取を推奨しているんです。
ここで葉酸を摂取する適切な時期と量を紹介しますね。
基本的に葉酸は食事で摂取できますが、妊婦さんになるともっと必要になってくるもの。
まず、適切な時期について説明します。
厚生労働省が推奨している時期は、妊娠1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間になります。
つまり、妊娠を計画した時点で葉酸サプリメントを飲み始めて下さい。
妊娠3ヶ月以降も、通常より少し多めの葉酸摂取を推奨されています。
- 一般的な女性で1日に推奨される葉酸摂取量:240μg
- 妊娠を計画または可能性がある女性〜妊娠3ヶ月:1日の推奨量+400μg
- 妊娠3ヶ月以降:1日の推奨量+240μg
- 授乳婦:1日の推奨量+100μg
ここで、妊娠を計画または可能性がある女性は葉酸を多めに摂らないといけません。
食事による葉酸摂取は利用効率が50%くらいなので、100μgの葉酸が口に入っても50μgしか栄養として摂取できないんです。
これでは大量の食事を摂らなくてはなりません。
そこで、葉酸の利用効率が比較的高い葉酸サプリメントが推奨されているんです。
妊婦・授乳婦も通常より多めの葉酸摂取が推奨されています。
妊婦・授乳婦は食事で摂取するように推奨されていますが、大変であれば葉酸サプリメントによる摂取でも大丈夫。
基本的に葉酸は水溶性ビタミンのため、摂り過ぎたら勝手に排泄されます。
1日摂取の上限として1mgは超えないようにしましょう。
1mgを超えても最初は大丈夫ですが、これが何日も続くと
- 葉酸過敏症
- 巨赤芽球性貧血の診断を困難にする。
- ビタミンB12欠乏症の診断を困難にする。
などのリスクがあるため、注意が必要です。
葉酸についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!
ここでまとめますね。
- 妊婦さんの葉酸摂取は神経管閉鎖障害の発生リスクを低減する為に必要。
- 妊娠を計画したら妊娠3ヶ月までは葉酸サプリメントによる摂取を続ける。
- 妊娠3ヶ月以降〜授乳期も少し多めの葉酸摂取が必要で、食事から摂取するよう推奨されている。
- 妊娠3ヶ月以降〜授乳期の葉酸摂取は葉酸サプリメントによる摂取でも問題なし。
- 1日1mg(1000μg)以上の葉酸を摂取し続けなければ大丈夫。
葉酸サプリメントに求められるもの
葉酸サプリメントはたくさんの種類が販売されており、値段も様々です。
購入する前に必ず関連するサイトをチェックすることをお勧めします。
その際に最低限チェックするべき項目があるので紹介しますね。
葉酸サプリメントのサイトのチェック項目
- 「食事性葉酸」と「モノグルタミン酸型葉酸」の違いについての記載。
- 葉酸の1日の耐容上限量に関する記載。
- 1日の摂取目安量についての記載。
- 原材料名についての記載。
まず、「食事性葉酸」と「モノグルタミン酸型葉酸」の違いが、しっかり記載されているかをチェックします。
普段の食事から摂取する食事性葉酸は利用効率が約50%なので、口から摂取した分の半分しか吸収されません。
サプリメントに入っているモノグルタミン酸型葉酸は利用効率が高い為、妊娠期におけるサプリメントの使用が推奨されています。
次に葉酸の1日耐容上限量についてです。
これは1日1mgまでですね。
葉酸は水溶性ビタミンなので、これ以上摂取してもすぐには健康被害は出ません
しかし、上限量を超えて摂取し続けていると
- 葉酸過敏症などの健康障害が出現する可能性
- 巨赤芽球性貧血やビタミンB12欠乏症の診断を困難にする可能性
などがあります。
出来るだけ、1日推奨摂取量を目安にしましょう。
次に1日摂取量についてですが、妊娠計画〜妊娠3ヶ月後までは葉酸を+400μg多めに摂取する必要があります。
また、妊娠3ヶ月以降は+240μgで授乳期は+100μgと、少し多めに葉酸を摂取する必要があります。
しかし、ここではバランスの良い食事で必要量を摂取するように推奨されているんです。
その為、次のような場合は
- 外食が多い。
- 何らかの理由で必要な栄養を摂取できない場合(体調不良やつわりなど)。
葉酸サプリメントから摂取しましょう。
次に原材料についてですが、モノによっては添加物が入っていたり、成分がしっかり書かれていない事もあります。
もちろん、余計なものはできるだけ少ない方が良いですよね。
ただ、そこまで多くの添加物が入っている訳ではないので、そこまで心配する必要はないです。
葉酸サプリメントを無添加にしても、結局他の食品で添加物を取ってしまうことがあります。
添加物を完全に除外した食生活って、結構大変ですよね。
どうしても添加物が嫌な場合は、添加物が入っていない葉酸サプリメントもあるので、そちらをお勧めします。
葉酸サプリメントを選ぶテクニック
ここで重要なのは葉酸サプリメントを飲む理由です。
それは神経管閉鎖障害のリスク低減です。
つまり、推奨されている時期に適切な量を摂取できていればOKなんですね。
それは妊娠を計画した時点〜妊娠3ヶ月後までの間に、基本的な摂取量よりも400μg多く摂取する事です。
基本的な葉酸の摂取量はバランスの良い食事をしていれば、摂取することができるんです。
妊娠3ヶ月後や授乳期も若干ですが、推奨される葉酸摂取量は増えます。
しかし、この増加分に関しては、バランスの良い食事から摂取するように推奨されているんです。
また、多くの葉酸サプリメントには沢山のビタミンや、モノによっては美容成分など入っているものもありますね。
よく葉酸サプリメントのサイトでは、妊婦さんはビタミンなどの栄養素が不足していると、書かれていることが多いです。
しかし、バランスの良い食事を心がけていれば、そう簡単に不足することはないです。
基本的には
- バランスの良い食事をしていればほとんどの栄養素は摂取できている。
- バランスの良い食事をしていれば、葉酸サプリメントにビタミンなどの栄養素がなくても問題なし。
- 妊娠計画時〜妊娠3ヶ月までの間だけ、葉酸サプリメントを摂取すれば良い。
ということになりますね。
しかし、現実には
- 外食が多くて栄養バランスが偏る。
- 体調不良によりバランスよく食事を摂取できない。
- つわりなどで食欲がない。
など、実際にうまくいかない事があると思います。
そのような場合は、ビタミンなどの栄養素も含まれている葉酸サプリメントの摂取をオススメします。
そして、妊娠3ヶ月以降や授乳期でも
- バランス良く食事が出来ていない。
- 葉酸が摂れているか心配。
こんな不安があれば葉酸サプリメントを摂取して下さい。
ただし、耐容上限量である1mg以上は葉酸を摂取しないように注意しましょう。
葉酸サプリメントの1日摂取目安量を守っていれば、問題はないです。
では、葉酸サプリメントを選ぶためのテクニックを紹介します。
基本的に、
- 価格が比較的安い。
- 栄養成分表がはっきりしている。
- 葉酸を摂取する目的や葉酸に関する説明がある。
- 美容成分など効果のない余計なものが入っていない。
この4つのポイントを軸に、葉酸サプリメントを選ぶのがコツ。
ちなみに美容成分とはコラーゲンやプラセンタなどです。
これらは経口摂取による効果は認められていません。
ただ、分解されてアミノ酸となって吸収されるだけです。
アミノ酸は普通に食事をしていれば摂れますからね。
このように効果が認められてないものを、あたかも効果があるように表現しているものは選んではいけません。
比較的、価格が高い場合が多いです。
厳選したオススメ葉酸サプリメント
先ほどのテクニックを元に葉酸サプリメントを3つ選んでみました。
ここでは大まかに「添加物あり」、と「添加物なし」に分けて紹介しています。
良ければ参考にしてみてください。
葉酸だけ摂取できれば良い場合(添加物あり)
食事はちゃんと摂れるから葉酸だけ摂取できればOK、という方はこちらがオススメです。
杏林製薬は比較的有名なメーカーです。
トクホも申請中なので、安心できる商品と言った所でしょうか。
葉酸の必要性に関する説明がちゃんとにされています。
ただ、添加物が含まれています。
添加物は天然由来なので、そこまで心配する必要はないです。
添加物が気になる方は、無添加の商品を選びましょう。
ビタミンも入っているマルチビタミンの葉酸も販売されています。
もしこちらの葉酸サプリメントを使用する場合、状況に応じて「葉酸のみ」と「ビタミン入り」を使い分けるのも手です。
葉酸とビタミンも一緒に摂取したい(添加物なし)
まずはALOBABYの葉酸サプリです。
葉酸だけだと不安なので、サプリメントからビタミンも摂取したい方はこちらをオススメします。
もちろん葉酸は体内で利用効率の高いものグルタミン酸型葉酸です。
葉酸と1日に必要とされているビタミン・ミネラル類が配合されています。
つわりなどが辛くて、食事が十分に摂れない方はこちらをオススメします。
そして、無添加が良い方にはオススメですね。
葉酸とビタミンを一緒に摂取したい(添加物あり)
葉酸とビタミン・ミネラル類を摂取できて、値段も比較的安いものはこちらがおすすめです。
AFCの葉酸サプリ、miteteです。
こちらも葉酸は利用効率の良いモノグルタミン酸型葉酸です。
ビタミン・ミネラル類も十分に入っていますよ。
チェックポイントとしては添加物が入っているところです。
しかし、サイト内にも書いてあるように添加物の内容的には特に問題ないです。
気になる方は無添加の物を選んだ方が良いと思います。
ちなみに、我が家のママはこの葉酸サプリメントを飲んでいました。
ママも子供も特に健康上は全く問題ありません。
ちなみに値段は常に一定で、2回目以降の購入から価格が上がることはありません。
番外編ー温活もできる葉酸サプリー
最後に番外編として、ちょっと変わった葉酸サプリメントを紹介します。
ワノミライカの「ショウガ葉酸」です。
この葉酸サプリメントの特徴は主に2つ。
- 妊活および妊娠中の時期に応じて必要な葉酸量を変更して摂取できる
- ショウガ成分により体の冷えを低減させる
今回のショウガ葉酸では時期に応じてサプリメントを「前期」「後期」に分けています。
前期:妊活〜妊娠4ヶ月
葉酸含有量:400μg
後期:妊娠5ヶ月〜出産
葉酸含有量:240μg
このように、厚生労働省が推奨している必要な葉酸量を、時期に合わせて変更して配送してくれます。
この葉酸サプリメントは葉酸の過剰摂取による疾患を防ぎ、適切な時期に適切な量を、というコンセプトがあります。
更にショウガ成分による体の冷え性予防もポイントにしていますね。
確かに妊活〜妊娠期における冷えは以下のように、
- 流産のリスクアップ
- 子宮内膜が育ちにくくなる
- 着床しづらくなる
- 健康な卵子が作られにくくなる
という問題点を挙げています。
確かに全身が冷えるような事が長時間続けば、あまり冷えない人よりは何らかの影響を受けそうな気がしますね。
実際にショウガ成分がどこまで影響があるのかチェックしてみました。
すると、
ショウガ摂取による効果として
- 冷え性気味の女性が生姜を経口摂取する事でエネルギー消費率が有意に向上する。
- 生姜10~20gを加熱して摂取すると体幹部を中心に3時間程エネルギー消費が有意に向上する。
という研究結果が出ています。
時間限定ですが、少し体は温まるようですね。
冷え性の人にはオススメです。
しかし、この葉酸サプリメントをとれば冷え性は大丈夫、というわけではありません。
常日頃、体を冷やさないように対策はしておくべきです。
「ショウガ葉酸」は対策の1つとして実践し、これだけに頼りすぎないようにしましょう。
ちなみに妊活〜妊娠期における不足しがちな栄養素はしっかりと含まれています。
最後に
ここまで葉酸サプリメントについて紹介してきましたが、調べると結構値段のバラツキが大きいです。
2000円前後のものから5000円前後のものまでと様々です。
内容物と効果は対して違いはないのに、差が大きすぎますね。
私的に内容物は特に問題なくて、比較的価格が安いものを厳選したつもりです。
葉酸はとても大事な栄養素なので、妊娠を考えたらその時点で飲むようにして下さい。
今回の記事では葉酸に関するワードを、何度も繰り返し書きました。
1日摂取量や摂取期間などですね。
そして、葉酸を摂取する目的です。
大事な事なので、どうしても覚えて欲しかったからです。
もう覚えて頂けましたでしょうか?
曖昧な場合はまた読み返して頂けると、幸いです。
元気なお子さんをスクスク育てる為にも、正しい知識を身につけて一緒に頑張って行きましょう!