育児は日々の子供の成長を感じる事ができるし、毎日がとても楽しいもの。しかし、それと同時に大変なことも盛りだくさん。育児疲れというものは、ほとんどの方が感じた事があるのではないでしょうか?今回はその「育児疲れ」のメカニズムと、その対策について紹介していきます!
目次
育児疲れとは何か?
育児によって感じる疲労は、ほとんどの方が経験していると思います。
今までの自分を取り巻く環境が変わり、自分だけの時間がなかなか過ごせなくなりますからね。
当然ストレスも溜まってくるでしょう。
よく育児疲れの原因としてあげられるのが、
- 1人の時間が作れない
- 子供連れの買い物が大変
- ゆっくりご飯が食べられない
- パパが戦力外・指示待ちスタイル
- 他人と接する機会が減少
- 親が近くに住んでいない
他にもありますが、けっこう原因は沢山あるんですよね。
現代では特に核家族化が進んでいて、親の手伝いがなかなか得られない家庭が多くなっています。
このように人に頼る機会が減っているという事は、疲労を感じやすくなる状況が増えていると考えられるでしょう。
育児で感じる疲労は完全に抜くことはできません。
それは育児をしている・していないに関係なく困難なことです。
疲労は誰でも感じるものであり、適切な対応が出来ていれば、日常生活に支障なく暮らす事ができます。
まずは、「そもそも疲労とは何か」という所から紹介していきますね。
疲労のメカニズム
そもそも疲労の原因は何かというと、よく乳酸という方がちょくちょくいらっしゃいます。
「疲れているのは乳酸が溜まっているからだ。」というのを聞いたことはありませんか?
実は最近では、乳酸は疲労の原因ではなく、むしろ筋疲労を和らげるために産生されると言われています。
つまり、乳酸は疲労の原因ではないのです。
では何が疲労を引き起こすのか?
原因は主に3つあります。
- 筋由来の疲労
- 神経由来の疲労
- 内臓由来の疲労
では1つずつ簡単に紹介していきます。
筋由来の疲労
筋肉の疲労となると、運動した後の疲労感を想像しませんか?
激しい運動をした後は疲れますよね。
運動後、しっかりとケアをしないと血流が悪い状態のままになり、それが引き金となって疲労を感じます。
更に筋繊維の損傷が激しいと、炎症が起きていわゆる筋肉痛が発生します。
しかし、育児などで感じる疲労感は運動後に感じるものとはまた別のもの。
「体がだるい。」とか「疲労感がなかなか抜けない。」というものが多いのではないでしょうか?
長時間抱っこしたり、離乳食の作成で台所に立つ時間も増えたりすると思います。
このように長時間同姿勢を続けることは、筋肉が持続的に緊張した状態が続き、やがて緊張がなかなか抜けなくなってきます。
そうすると、血流悪化により筋肉に栄養が運ばれにくくなるんです。
そうする事で、本来の力が出せなくなります。
また、血流悪化を知らせるために疼痛物質が産生されるので、それが鈍痛や体が重く感じる原因にもなります。
神経由来の疲労
筋由来の疲労は体から感じる疲労でしたが、神経由来の疲労は脳から感じる疲労です。
簡潔にいうと神経のコンディションが悪くなった事で、引き起こされる疲労になります。
大きく分けると中枢神経と自律神経による疲労があるんです。
自律神経由来の疲労
自律神経とは、無意識下で体の調子を整える役目があります。
しかし、過度なストレスを受けると自律神経が乱れてしまうんです。
それによって引き起こされる症状が、
- 睡眠不足
- 呼吸の乱れ
- 体温調節の不良
- 抜けない疲労感
など、他にもありますが多くの症状を引き起こすんです。
特に育児中では、この自律神経が乱れやすい状況が多くなっています。
育児は肉体疲労というよりも、精神的疲労による部分が多いですからね。
中枢神経由来の疲労
中枢神経は手足などの体の動きをコントロールしています。
脳からの指令が体の様々な部位に行き渡って、初めてその部位が動くんですね。
しかし、体の正しい使い方をしていないと、いわゆる「歪んだ体の使い方」をしてしまうように。
体の正しい使い方とは、体に負担のかからない効率の良い動作、ということになります。
体の使い方は人それぞれで、少しでも変な動きをして体が硬くなったりすると、本来の動きができなくなるもの。
そうすると脳の指令と実際の体の動きにズレが生じてしまいます。
つまり神経の伝達がうまく行われないことで、脳が違和感を察知して疲労を感じるようになります。
それと同時に歪んだ体の使い方により、筋疲労も合わせて生じるようになるんです。
少しややこしいかもしれませんが、要は変な体の使い方をしていると、疲労を感じやすくなるということですね。
育児では、長時間の抱っこやオムツ替えなど、今までになかった動作が増えてきます。
この動作を繰り返していく中で、体の使い方が徐々におかしくなってくる人もいるんですよ。
そうすると、徐々に脳の指令と体の動きにズレが生じてきて、疲労を感じるようになります。
内臓由来の疲労
内臓の疲労とはなかなか感じることはできませんが、消化器官の機能に影響するため非常に重要なものです。
基本的に食事によって疲労し、食事によって回復する事ができます。
例えば夜間に食事をすれば、当然胃や腸に負担をかけて消化吸収が悪くなるんです。
消化吸収が悪くなるということは、体の回復に使われる栄養素などの分配も悪くなるため、結果的に疲れやすい体ができてしまうように。
普段から食事にも注意が必要になりますね。
疲労の対策方法
疲労の対策方法はたくさんありますが、ここでは運動と食事に分けて紹介していきますね。
腹圧呼吸
基本的には深呼吸ですが、息を吐く時にお腹を膨らませた状態を維持しながら吐きます。
そうすると、腹圧が一時的に上昇し体幹が安定した状態になるんです。
その結果、体幹や四肢の筋肉の緊張が緩み、体の動きがスムーズになったり血流が改善されます。
先ほど原因のところで紹介した「体の歪み」が解消されやすくなった状態になるわけです。
この呼吸法を腹圧呼吸と言います。
腹圧呼吸時に横隔膜を大きく動かすことになるのですが、横隔膜には自律神経が密集しているため、自律神経が安定しやすくなるように。
つまり、体の歪み解消+自律神経の安定により疲労回復効果を得る事ができます。
では腹圧呼吸法を詳しく紹介しますね。
- 仰向け又は座位姿勢が開始ポジション
- 6秒ほどかけて鼻から息を吸う
- 吸った時間の倍以上かけて息を口から全て吐き出す
- 息を吐いている間はお腹をなるべく膨らます
- 5回ほど繰り返す
基本的に就寝前には必ず行うようにして下さい。
良質な睡眠を得るためにも重要な方法になります。
又、日中でも時間があれば適時、実施するようにして下さい。
より疲労改善・予防効果を得やすくなります。
軽い運動
運動をする事で血流改善効果やストレス軽減効果により、疲労を軽減する事ができます。
できれば筋トレやジョギングと一緒に神経にもアプローチする運動がオススメです。
神経にアプローチする運動とは何か?
例えば、一本の線を床に引いたと仮定してその線を左、右へと交互に飛び越えながら進んでいく運動です。
できるだけ左右均一な距離でジャンプしたり、切り替えのタイミングなど、神経コントロールが重要になってくる運動です。
このようにバランスや運動のタイミングなどが要求される運動は、神経にアプローチ出来て疲労の原因になる「神経のズレ」を解消する事ができるんです。
他にも、出来るだけ微動だにしないで爪先立ちを30〜60秒などの運動や、スキップなどもオススメです。
でも、育児中のママやパパだとなかなか大変ですよね?
そんな時はストレッチでも大丈夫。
ですがストレッチを20~30分ほど続ける必要があります。
しっかりと深呼吸も取り入れて行えば、自律神経の安定にも繋がり、精神的な落ち着きも得る事ができますよ。
あとはお子さんと20~30分ほど散歩でもいいですね。
あとは、出来れば筋トレも一緒にできると、より効果的ですよ。
鶏胸肉を食べる
食事の食べるものに注意したり、夜間8時以降は食べないなども、内蔵を疲弊させない重要な方法です。
今回は疲労回復にオススメな食材を紹介しますね。
それは、鶏胸肉です。
鶏胸肉には疲労回復効果(特に脳)のある「イミダペプチド」が含まれています。
鳥などには羽の付け根、マグロなどの回遊魚には尾びれの付け根などに存在しています。
これらの部分はどこも疲れてはいけない場所ですね。
長時間飛べなくなりますし、マグロは止まったら死んでしまいます。
このイミダペプチドは活性酸素を取り除く効果もあるため、とても重要な物質なんです。
このイミダペプチドはどんな料理でも壊れる事なく摂取できますが、茹でたりすると水に溶け込んでしまいます。
溶けてもスープとして飲めばいいので、茹でた場合はその茹で汁でスープを作りましょう。
ちなみに「ささみ」もオススメですよ。
最後に
今回は基本的な運動と、疲労回復効果のある食事について紹介させて頂きました。
しかし、育児疲労を完全に拭い去る事はできません。
誰でも感じるものなので、しょうがないものと思っていた方が良いです。
ただ、その中でも疲労が悪化すると様々な体調不良を引き起こすため、ご自身で疲労回復法や予防法を知っておいた方が良いのです。
今回紹介したのは、回復法・予防法のうちの一部ですが、とても効果的な方法ですよ。
そして一番大事なのは、1人にならない事です。
孤独な育児ほど大変なものはありません。
周囲との交流や親の助けなど、少しでも繋がりを持つようにしましょう。
近いうちに育児疲労-気分転換編-もアップする予定です。