数日間出ない事がよくあるのが、赤ちゃんのウンチです。大人にとって1日出ないと便秘かもしれませんが、赤ちゃんにとっては日常茶飯事です。赤ちゃんは自分で不調を訴える事ができません。私たち親が気づけるかどうかがポイントになります。ここでは赤ちゃんの便秘の見分け方と、対策をまとめてみました。
赤ちゃんの便秘?機嫌をよく見て判断しよう
そもそもなぜ便秘になるのでしょうか?
ウンチは腸に長く留まっていると、水分が吸収されて硬いウンチになります。
ウンチが硬すぎたりすると、排便がスムーズにいかなかったり、痛みが出たりします。
これでは赤ちゃんは苦しいし、機嫌が悪くなりますね。
そもそも赤ちゃんの腸などの消化器官はまだまだ成長段階であり、これからどんどん育っていきます。
赤ちゃんのウンチは2~3日出ない事はよくある事です。
便秘かどうかの判断は「ウンチが何日間出ないか?。」ではなく、「機嫌を損ねずに生活できているか?。」になります。
先程話したように、ウンチが硬すぎると排便がスムーズにいかず、痛む事があります。
この便秘は赤ちゃんにとって苦しい事なので、機嫌が悪くなります。
しかし、2~3日ウンチが出なくても、機嫌よく過ごせていて排便が定期的にあれば、便秘と考えなくても大丈夫です。
機嫌を損ねる便秘が起きる要因の一部として、母乳や食物繊維、水分の不足などが考えられます。
他に便秘を疑うポイントとしてはウンチが少量、下腹部の張り、母乳を飲みたがらない(離乳食をあまり食べない)、おならがいつもより臭いなどが挙げられます。
ウンチが固ければ出ずらいので、例えウンチが出たとしても少量である場合があります。
また、ウンチが腸に溜まっていればお腹が張ってきますので、日頃からチェックしてみて下さい。
母乳をいつもよりも飲みたがらなかったり、すぐに吐いてしまうのも、便秘を疑うポイントになります。
そして、ウンチが長時間腸内に存在すると、オナラも臭くなるので、判断基準になります。
- 赤ちゃんの消化器官はまだ成長段階のため、2~3日ウンチが出ない事はよくある。
- 2~3日赤ちゃんのウンチが出なくても、機嫌が良ければ大丈夫。
- 身近な要因として母乳や離乳食、水分などが考えられる。
- 便秘のチェック項目として、ウンチの量や硬さ、お腹の張り、母乳を飲む量(離乳食を食べる量)、おならの臭いなども貴重な情報源になる。
赤ちゃんの便秘の対策法
ここでは特に効果が高い3つの対処法と組み合わせる事で、更に効果がアップする対策法について紹介していきます。
生活リズムの調整
程月齢時で便秘が疑われる時は、母乳・ミルクの不足が影響する事があります。
水分が少ないと、その分ウンチも固くなってしまいます。
なるべく、定期的に母乳・ミルクを赤ちゃんに飲ませるように心がけましょう。
離乳食では乳酸菌や繊維質などが入った食品を心がけるのがポイントです。
月齢にもよりますが、ヨーグルトや納豆などがオススメです。
繊維質の沢山入った野菜も、腸内細菌の大事なエサになるため、とても大事ですよ。
オリゴ糖も腸内細菌のエサとなるので、これもオススメですね。
あとは当たり前ですが、睡眠時間の調整やバランスの良い食事を心がけましょう。
赤ちゃんの便秘に綿棒浣腸
お尻の穴に直接綿棒で刺激を与えて、排便を促します。
大人用の綿棒にワセリンやベビーオイルをつけて下さい。
赤ちゃん用の綿棒では先端が小さく、赤ちゃんの直腸を刺激しにくいので大人用綿棒を使用します。
赤ちゃんの姿勢は仰向けで、両脚はなるべく曲げた状態にしましょう。
その方がお腹に力が入りやすくなり、排便を促しやすくなります。
できれば大人2人いるとやりやすいですね。
それを綿棒の先端が隠れるくらいまで、赤ちゃんの肛門に入れていきます。
綿棒を肛門に入れたら、優しく円を描くように動かしましょう。
これで赤ちゃんの排便を促す事ができます。
直腸を刺激したら、綿棒を取り出して先端にウンチがついているかチェックします。
ウンチがついて入れば、少しずつ肛門に向かって出てきているところです。
ウンチがついていなければ、まだ効果が出てないので、継続しましょう。
無理に続けず、時間を置くこともポイントです。
注意点としては綿棒を奥まで入れすぎず、赤ちゃんが嫌がらないように、ゆっくり行ってください。
最低でも1cmは綿棒を入れないと、直腸を刺激できません。
赤ちゃんが嫌がったら無理せず中断しましょう。
あと個人的な意見ですが、この綿棒浣腸が排便を促すのに一番効果があると思います。
即時的に効果が現れやすいので、ぜひトライしてみて下さい。
- 事前準備:新聞紙やオムツを敷いて置く。
- 赤ちゃんを仰向けにして、両脚(股・膝)をしっかりと曲げた姿勢にする。
- 大人用の綿棒にワセリンやベビーオイルをつけて1cmくらいを肛門に入れる。
- 優しく直腸内で円を描くように動かす。
- 綿棒をチェックしてウンチの有無で効果があったがどうかをみる。
- もし中々うまくいかなければ、小児科医に相談をしよう。
便秘の解消に「の」の字のマッサージ
赤ちゃんのおへそを中心に、時計回りに「の」を描くようにマッサージしましょう。
腸というのは色々な刺激を受けやすいもの。
ストレスの影響も受けますし、このように皮膚の刺激でも影響を受けます。
あまり強くお腹を押さずに、さするように動かして下さい。
それを繰り返す事で、腸の蠕動運動を促通する事ができます。
その他のポイント
ここでは特定の姿勢や運動、便秘薬についてみていきます。
足の前後運動
ママやパパが赤ちゃんの両脚を持って、前後に動かしましょう。
両脚を交互に動かす事によって、赤ちゃんの腸の蠕動運動も活発になります。
でも、赤ちゃんが成長してくると寝返りしたり、蹴り飛ばしたりしてくるので低月齢の赤ちゃんにオススメですね。
腹ばいでお腹に刺激を入れる
腹ばいになるだけで、適度にお腹へ刺激を加える事ができます。
効果としては軽いかもしれませんが、他の方法と組み合わせるとより効果的でしょう。
便秘薬の使用
乳幼児の便秘薬であるマルツエキスを飲ませてみるのもいいでしょう。
また、柑橘類の果汁や糖水(砂糖を白湯で約5%に薄めたもの)を飲ませるのも効果的です。
糖分が腸内細菌を活性化させて、腸の蠕動運動を活発にしてくれます。
便秘が疑われたら機嫌を注意深く観察して判断する
赤ちゃんの機嫌がよくない時
ウンチが硬くて排便時が辛そう-便秘-
赤ちゃんの栄養で繊維質が不足していたり、水分が不足している事で便秘が起きている可能性が高いです。
まずは赤ちゃんの生活習慣を見直しましょう。
水分摂取をこまめに
離乳食で繊維質のものを増やす
ヨーグルトや納豆などが食べれるようになったら、なるべく毎日食べる
マッサージや運動をこまめに行う
排便時に痛そうでウンチに血がついている-裂肛-
便秘が進み、ウンチが硬くなる事で肛門が切れてしまう事があります。
これも便秘の時と同じように、生活習慣の改善が第一選択になります。
水分摂取をこまめに
離乳食で繊維質のものを増やす
ヨーグルトや納豆などが食べれるようになったら、なるべく毎日食べる
マッサージや運動をこまめに行う
赤ちゃんの機嫌が悪い時
授乳に時間がかかり(30分以上)かつ赤ちゃんの体重が増えない-便秘-
母乳不足が原因である事が考えられます。
一番簡単な対処法としては、授乳後にミルクを足すという方法があります。
これでも効果はあると思いますが、かかりつけの専門医に一度診てもらった方が良いでしょう。
定期的(10〜15分おき)に激しく泣く(または急にぐったりする)・嘔吐・粘液の混じった血便がみられる-腸重積症-
生後6ヶ月の赤ちゃんに多く、小腸(回腸)が大腸に入り込んでしまう病気です。
急に激しく泣くか、ぐったりしたり顔面が蒼白になります。
この病気は可及的早急に診断および治療が必要になります。
少しでもおかしいと思ったら、早めに受診をしましょう。
1週間以上便秘が続き、お腹が張っている-ヒルシュスプルング病-
これは腸の神経細胞が生まれつき無いために、便秘症や腸閉塞を起こす病気です。
この場合、お腹の張りがとても強く、嘔吐などを伴います。
最悪の場合、腸に壊死などが起こり、危険な状態になることもあります。
1/5000くらいの確率で発症し、多くは生後1ヶ月以内に見つかる事が多いです。
最後に
そもそも赤ちゃんが便秘気味なのは、まだまだ体が成長の途中だからです。
色々な機能が未熟であるために起きてしまいます。
という事は、腸の機能が成熟するまでは便秘は治らない、という事になります。
しかし、病院での治療や私達親による生活習慣改善の継続により、便秘をコントロールする事はできます。
ここはとても重要なポイントです。
便秘にならない体質になって、初めて便秘は完治します。
完治するまでの期間は個人差がありますが、長いと5,6年かかる子もいます。
完治するまでの期間に影響する要因としては食習慣・運動量・排便習慣・生活習慣などがあります。
赤ちゃんが便秘で辛い思いをしないためにも、しっかりと様子をチェックして適切な判断を下せるかどうかがポイントになります。
最後にまとめます。
- 赤ちゃんが便秘気味なのは、腸が成長段階であるためしょうがない。
- 便秘が完治するまでに個人差はあるが、5,6年と長期間を要する。
- 便秘はコントロールできる。
- 親として腸や便秘に関する知識を身につけよう。
腸内環境についてはこちらの記事をお勧めします。