育児とは幸せな時もあれば辛い時もあります。これを乗り越えていく事で、ママもパパも子供も共に成長して行きます。しかし、全てが順調にいく訳ではありません。時には辛い事が続き、頭が不安ばっかりになってしまう。絶望的な気持ちになり、何もかもうまくいかないような気持ちになってしまいます。なぜ、そうなってしまうのか?その対処法は何があるのかをまとめてみました。
目次
不安が多すぎると心が辛くなる
育児に追われてふと気づいたら、もう夕方。
子供をお風呂に入れないといけないし、子供の食事も用意しないといけない、私達の食事も作らないといけない。
こういう経験をした方は意外といるはずです。
このような時どんなことを思い浮かべますか?
「よし!パパが帰って来るまでに、頑張って子供にご飯をあげてお風呂にも入れて、ご飯も作っちゃおう。」
すごいですね!
このように毎日考える事ができれば、毎日が生き生きとして来ると思います。
「どうしよう!時間がない!今から作っていたらパパが帰ってきた時にご飯も用意できてないし、子供が寝る時間が遅くなってしまう、またやってしまった。」
そう思う気持ちはわかります。
時間に追われて、やるべき事が後になってしまい結果的に進まない。
更にそれを何回も繰り返してしまう。
ちなみにですが、これはあくまでも例え話なので、決してママがパパの夕飯を作らないといけないと、言っている訳ではありません。
このように失敗と思うような事が続くと自分に自信がなくなってしまいます。
自信がなく、不安ばかり増大すると「また失敗する、育児に自信が持ていない。」と考えるようになり、現実でも本当に失敗してしまう事が続いてしまいます。
これが育児中、心が辛くなる時に多くの方が陥っているパターンです。
「必ず失敗する。」という重りを外す
「必ず失敗する。」という考えは無意識のうちにふと思い浮かびます。
この考えは抑うつや不安の引き金になります。
失敗という名の重りを体につけていると、全てがうまくいかないように感じてしまいます。
いつも失敗している訳ではないのに、そう感じてしまうんです。
心の中にあるこの重りを外し、現実をありのままに捉える事ができると、心が軽くなって生きる事が楽になります。
これは認知行動療法という心理療法の基本的な考え方です。
落ち込んだり、不安を感じることは決して悪いことではありません。
誰でも感じることです。
しかし、落ち込みや不安を感じ続け、楽しい事が何一つない状態で長時間いると、ものの見方が歪んでしまいます。
そうなると友人関係や仕事にも悪影響を及ぼし、人生を楽しめなくなってしまいます。
ものの見方を少し調整すれば、辛い気持ちをコントロールできるようになり、満足のいく人生を取り戻せるようになってきます。
自分のルールは自分を苦しめる
自分のルールは守っていますか?
よくあるルールとしては以下のようなものがあります。
・「人前で恥をかくことはあってはならない。」
・「常にいい結果を出すべきだ。」
・「人から笑われてはいけない。」
・「決められた時間までにある事を実行しなければならない。」
言われてみれば、思い当たるものはありませんか?
このようなルールをみんな心の奥底に抱えています。
このルールを守れない事を恐れ、少しでも守れないと自分を責めてしまいます。
しかし、このルールは普通に考えてみると別に悪いルールでもありません。
いい結果を出すと考えることは良いことですし、時間を守ることも悪いことではないはずです。
問題はストレスなどで不安がたまり、心にゆとりがなくなった時です。
そうなると、最初は良い意味があったはずのルールが、いつの間にか自分を苦しめるルールになってしまっています。
自分のルールに捉われないようにすると、うまくいく事が増える
心が苦しくなってきたら、自分のルールを変える事がポイントです。
そうすると、世の中の見え方が変わり、結果的にうまくいく事が増えてきます。
人間関係も同じで「誰からにも嫌われないようにする。」とか「常に良い人でいる。」というルールは自分のハードルをあげてしまいます。
そういう時は新しいルールにしましょう。
「別に嫌われても良い。」とか考えるようになると、自分の素直な気持ちでコミュニケーションをとれるようになります。
これは難しそうに感じますが、実は意外に簡単にできます。
この方法は「育児中に辛いと感じたら。心がスッと楽になる方法。」
認知の歪みを知る
辛い気分の時は物事の捉え方が歪んでしまいます。
これを認知の歪みと言います。
頭に浮かぶ考えが、現実とかけ離れている状態です。
認知の歪みの代表的なものは10種類あります。
白黒思考
物事を白か黒で考える、極端なものの見方。
完璧主義に陥りやすい。
「うまくいかないこともある。」という考えが受け入れられない。
最初から努力を放棄して、無気力になることもある。
例:完璧にできないのならば、やってもしょうがない。
一般化のしすぎ
よくない事が一つでも起こると、広く一般化して解釈する。
一度の失敗の経験で、「私はいつも失敗する。」と考えたり、一度パニックになると他の場所に出かける事が出来なくなる、など。
例:「ある人から嫌な事をされた。私は全ての人から嫌われているんだ。」
心のフィルター
物事の悪い面ばかりに目が行き、いい事があっても無かったことのように感じる。
世の中は苦痛に満ちていると感じたり、自分には良い所が一つもないと考えてしまう。
他人の言動も悪く解釈しがち。
例:「私は可愛くないし、太っているし良い所が一つもない。」
マイナス化思考
全ての出来事をマイナスの解釈を加える。
悲観的なストーリーを勝手に作り出してしまう。
例:「私の事が嫌いだから連絡してくれないんだ。」
結論の飛躍
根拠もないのに、自分にとって不利で悲観的な結論に飛びついてしまう。
ちょっとでも悪い噂を聞いたり、人との会話中に違和感を覚えたりするだけで、早合点して悪い結論を出す。
例:「仕事仲間が遠くで話し合いをしている。きっと自分の悪口を言っているんだ。」
拡大解釈・過小評価
自分の失敗や短所を大げさに考える一方で、成功体験や長所は過小評価する。
自分を好きになれず、いつも落ち込んでしまう。
例:自分はなんてつまらない人間なんだろう。趣味一つもない。」
感情的決めつけ
理性ではなく、感情で物事を判断する。
憂鬱だと「自分はもう何も出来ない。」とか、不安が強いと「きっと失敗する。」と思い込んでしまう。
例:気が重いから、外出なんて出来ない。」
すべき思考
「〜すべきだ。」「〜でなくてはならない。」という自分のルールを作り上げる。
自分にも他人にも厳しくなる。
怒りや緊張など、マイナス感情にとらわれやすい。
例:全ての仕事を完璧にこなさなければならない。」
レッテル貼り
人や物事に対して極端なイメージのレッテルを貼る。
他人に対して「あいつは嫌な人。」というレッテルを貼り、その人の良い面が見えなくなることもある。
例:あの人は性格が悪いから、きっと私に悪口をいう。」
個人化
よくない事が起きると、自分の言動と関連づけて自分を責める。
自分と関係ないことでも罪悪感にさいなまれてしまう。
例:「私がもっと接してあげれば、彼女は仕事を辞めずにすんだのに。」
これらの認知の歪みは誰でも経験することです。
これを読んでいて自分も経験したと感じたものがあると思います。
この認知の歪みが強すぎると、抑うつになったりと生活に支障が出てくるようになるのです。
最後に
嫌な事は、人であれば誰でも経験すると思います。
そして、楽しい事もあるからこそ生きていく意味を見出して、人生を素晴らしいものにしていきます。
ところが、嫌な事ばかりであれば物事の捉え方が歪み、その人の人生に悪影響が出るようになります。
このような状況になれば、子供の成長や夫婦関係にも支障が出るようになります。
この状況に陥った時の対処法として、認知行動療法という心理療法があります。
これは本としてもたくさん出版されています。
そして、心療内科などでも行われている所もあります。
心が辛くなったら無理して我慢せず、まず本を読んでください。
それでも改善しなければ、病院を受診された方が良いと思います。
ちなみに、一般の方向けの本はこれがオススメです。
医学的な知識がなくても、わかりやすく書いてあります。
具体的な行動が記載されているので、興味がある方はご参照下さい。
正直言うと、うつなどの症状が悪化してから治療するのはとても時間がかかります。
症状が軽いうちに行動する事で、様々な対処法を手に入れれば早期に解決できます。
そして1人で悩まないようにしましょう。
具体的な対処法は「育児中に辛いと感じたら。心がスッと楽になる方法」をご参照下さい。
まとめ
・辛い事や不安に感じる事が多くなると、物事の捉え方が歪む。
・物事の捉え方の歪みを認知の歪みといい、10種類ある。
・認知行動療法は歪んだ物事の捉え方を修正する。
・人は知らない事があると不安になる。
・なぜ心が辛くなるのか、メカニズムを知るだけで心が少し楽になる事もある。