胎教は実践していますか?。音楽を聞いたり、英語を聞かせたりと様々な方法があります。しかし、ほとんどの方法で科学的根拠がありません。もし、胎教を行うとしたら、一番の方法はママがリラックスできるようにパパが頑張る事なんです。
胎教とは英才教育?orコミュニケーション?
そもそも胎教はどういう意味なんでしょうか?
胎教とは、「早期の英才教育」と考える人もいますし、「妊娠中の親子のコミュニケーション」と考える人もいます。
よく聞くのがクラシック音楽を聞かせたり、英語を聞かせたり、絵本を読み聞かせてあげたりなどです。
高額な塾のようなところも存在します。
もし、本当に効果があれば通う人は沢山現れるでしょうが、実際どうなんでしょうか?
その前に胎教の歴史を少しまとめてみました。
胎教の歴史
胎教という言葉の起源は紀元前206~208年での中国です。
青史氏之期という古書に記載があり、聖人君主を形成する教育思想の一種でした。
この頃からすでに天才を育てようという、考えがあったんですね。
そして、日本に伝えられたのは6~8世紀頃で、医学書を通して少しづつ伝えられてきました。
明治以降になって西洋医学が徐々に伝わってくるようになります。
その頃から、科学的根拠に欠けるという事で否定されていましたが、家庭教育の基本として伝えられてきました。
現代においては胎教は広く普及し、認知されていますね。
一般的に言われている胎教の効果は?
様々ありますが、よく言われているものをまとめてみました。
- 夜泣きをしない。
- 情緒の安定した子に育つ。
- 比較的安産になる。
- 家庭の絆を形成する。
- 子供の知能が向上する。
どうでしょうか?
これらの効果については、聞いた事がある項目もあると思います。
しかし、これらが本当に科学的根拠が存在しているのでしょうか?
胎内記憶とは
もし英語の読み聞かせなどに効果があるとしたら?
その話をする上で胎内記憶というものを知っておく必要があります。
胎内記憶とは、ママのお腹の中にいる時の記憶のことです。
人やチンパンジーでは胎内で聞いた音は覚えている、という研究があります。
これを聞いて、やっぱり英語とか聞かせた方がいいんじゃないか!と、思うかもしれません。
ここで注意する事としては、聴覚で捉えた記憶があるという研究がいくつか存在しているだけで、胎内記憶についての議論が終結したわけではありません。
肯定する研究が存在すれば、否定する研究も沢山存在します。
中には怪しい研究もあるんですよ。
その中で色々研究を重ねて、やっと効果が実証されるわけです。
胎内記憶を肯定する研究も複数存在しますが、記憶というものはとても曖昧なもの。
ましては、研究対象が保育園や幼稚園に通っているお子さんです。
偽記憶を植え付けられてしまう事例も、良く存在します。
実際の経験を覚えているのか、後から聞かされたことが実際の記憶と混在している可能性も。
そのようなことから、胎内記憶についての科学的根拠は存在していません。
胎教による英才教育と子供の能力は科学的根拠がない
まず、最初に言いますが胎教によって、子供を天才にする事は出来ません。
胎児は妊娠初期から出世までを、決められたプログラムに沿って発達していきます。
そしてママは、胎児の発達に伴い、お母さんになるための心や体を作っていきます。
その過程で、ママは不安感や心配感を抱くようになります。
このことを「妊娠特異的不安」と言います。
最初の方で、「ママがリラックスできる環境を作る事が大事」と言いましたが、実はある程度の不安などは胎児の発達に不可欠です。
ママは妊娠すると、不安に関連するホルモンが増加します。
人は不安を感じると心拍数が増加します。
不安に関連するホルモンが増えると、ママの心拍数が上がると同時に、胎児の心拍数も上昇します。
心拍数が上がると脳機能が向上するため、ある程度の不安は胎児の成長のために必要なのです。
しかし、過度な不安や心配事があると、胎児にとって逆効果となります。
また、胎児の心拍数はママの声や音楽を聞く事で上昇しますが、パパや他人の声では心拍数が逆に低下する事がわかっています。
よく音楽を聞く事が良いと言われているのは、音楽を聞く事によって胎児の脳機能向上に影響する心拍数が向上するからなのです。
ただ、パパの声を聞くと心拍数が下がるというのは少しショックでした!
だからと言ってパパが声掛けをしてはいけない、ということではないと思います。
そうすると、ママに子供に関心がないと思われて、ママのストレスが向上して結果的に胎児の心拍数が減るという影響も考えられます。
また、胎児がママの声や音楽を認識できるようになるのは、妊娠30週が経過した妊娠後期からです。
ここまで述べたように、英語を聞かせたり特殊なグッズを使う必要もありません。
ママの胎児への語りかけと、音楽を聞くだけで十分なんです。
しかし、多くの親達が、自分の子供を天才にしたいと思っていることでしょう。
その結果、無駄な事にお金と時間を注ぎ込んでしまう結果となるんです。
子供を天才にしようと、色々な事に振り回されて、むしろその事でストレスを感じて胎児に悪影響を与えかねません。
一番大事なのは、家族の絆を大切にする事です。
そして、パパの役目はママがリラックスできる環境で過ごせるように、様々な努力をする事です。
その他のポイント
他の研究で胎児がどのような影響で動きが活発になるか、という事に焦点を当てた研究もあります。
結果として、
- ファーストフードの摂取を少なくする。
- カツオを沢山摂取する。
- 音楽聴取や歌唱の頻度が高い。
これらを実践しているほど、妊婦のストレスが低くて胎児がより活発に動く事がわかっています。
ファーストフードは沢山摂取するとストレスを上昇させやすいと言われています。
またカツオは気分の改善・ストレスの軽減効果が。
音楽については先ほど述べたように、胎児の脳機能に影響を与える心拍数を上昇させます。
この研究は胎児の動きの活発性に関しての研究であるため、心拍数の事は記載がなかったのですが、体を動かすには全身に酸素を運ぶ必要があるため、私の憶測ですが結果的に心拍数は向上したのではないかと考えられます。
乱れた食生活は止めてカツオを沢山食べましょう!
最後に-7つのポイントのまとめ-
ここでいくつかまとめてみます。
- 胎児の脳機能発達には心拍数が関係する。
- ママと胎児の心拍数増加は脳機能発達を促進する。
- ママのある程度の不安は胎児に良い影響を与える。
- ママの過度な不安は胎児に悪影響である。
- ママの声かけや音楽鑑賞は胎児の心拍数を増加させ、脳機能発達を促進させる。
- 乱れた食生活は胎児に悪影響である。
- ママがリラックス出来る環境で過ごせる事が何よりの胎教である。
胎教で天才にする事はできません。
天才は子供が生まれながらに持っている才能が、開花した状態の事です。
親はその才能を見つけて、邪魔をしてはいけません。
そうすれば、子供の成長はどんどん促進されて、やがて天才と呼ばれる存在になるのかもしれませんね。
先ほどのまとめにも書きましたが、
ママがリラックス出来る環境で過ごせる事が何よりの胎教である。
これが一番大切な事であると私は思います。