読み聞かせは子供の想像力を豊かにします。特に幼児期の子供の精神発達において、とても重要な役割を果たしています。しかし、ただ絵本を読めば良い訳ではありません。読み聞かせを効果的に行うには、絵本の読み聞かせ速度が重要なんです。ここでは、読み聞かせ速度の重要さについて紹介していきます。
そもそも読み聞かせとは
お子さんと一緒に絵本を読んでいますか?
小さいお子さんがいると、いつの間にか絵本は増えてきます。
- 友人や家族からプレゼントとしてもらう本
- 自分達で選び、購入した本
- 教材として送られてくる本
などなど、色々なルートはありますが、本はこのように増えてくるもの。
我が家もいつの間にか溜まってきたので、なるべく子供に読み聞かせるようにしています。
ところで読み聞かせとは、1960年に行われた「親子20分間読書」という読書運動が始まりと言われています。
この頃から、子供と一緒に絵本を読み聞かせる事が広まってきました。
もちろん、読書運動が始まる前から読み聞かせをしていた家庭はあると思います。
そして、読み聞かせの聞き手は子供だけとは限りません。
幼児から高齢者まで、対象者は広範囲です。
どのような年齢でも、読み聞かせの時間は有意義な読書の一つであると言えます。
さて、ここまで簡単に読み聞かせの起源的な事を簡単に説明させて頂きました。
ここから本題に入っていきます。
読み聞かせは読み手が、どのように聞き手に対して本を読んでいくかがポイントです。
好ましい読み聞かせ条件として、
- 適当な読みの速さ。
- 感情がこもっている。
- 声に抑揚がある。
- 言葉に区切りがある。
- 発音が明瞭である。
この5つのポイントが幼児の物語理解に対して促進効果を持つという報告があります。
ちなみにこの5つのポイントで、どれが一番効果的なのかは検討されていません。
そのため、とりあえず5つ全部を実践する事でより確実に効果を発揮します。
では、いよいよ今回の要となる読み聞かせ速度がどのように影響するか、を紹介していきますね。
読み聞かせの速度は場面に応じて使い分ける
読み聞かせの速度に関しては、いくつか研究として報告されています。
基本的には「ゆっくりと読む事。」が推奨されている報告が多かったですね。
しかし、その根拠というのが、
- 読み手の感情が希薄になりやすい。
- 絵本の内容が子供に伝わりにくい。
など、具体的な検討がされているわけではないんです。
探しているうちに1つの具体的な検討を行っている研究を見つけました。
この報告によると、
「読み聞かせ速度を場面に応じて使い分けると、よりイメージを高めることが出来る。」
つまり、楽しい場面や悲しい場面で読み聞かせ速度を調節する事で、
- 物語の豊かなイメージを広げる。
- 想像力を高める。
- 読書に親しみやすくなる。
など、聞き手に対する効果を更に高めることが出来ます。
ではどのようにすれば良いのか?
場面ごとに紹介していきますね。
読み聞かせ速度をゆっくりにする場面
絵本をゆっくり読むと以下のようなイメージが、より強調されます。
- 可愛そうな。
- 暗い。
- 寂しい。
- 悲しい。
- 陰気な。
- 沈んだ。
このような印象のある場面でゆっくり読む事により、より場面のイメージを想像しやすくなります。
逆に本来は寂しくない本をゆっくり読むと、早く読んだ時と比較して寂しい内容の本である、と印象付けられます。
ゆっくり読むことが必ずしも良いという訳ではないんですね。
ゆっくり読む時は、寂しい・暗い内容の本またはその場面に限ります。
読み聞かせ速度を速くする場面
逆に速い速度で読む時は、どのようなイメージが強調されるのでしょうか?
内容的には以下の通りです。
- 元気な
- 愉快な
- 明るい
- 楽しい
この4つのイメージが強調されます。
先程のゆっくり読む時の内容とは真逆ですね。
この4つのイメージが当てはまる場面では、少し速い口調で話してみましょう。
もちろん、早ければ良いという訳ではありません。
ここは読み手の主観ですが、聞き手である子供が聞き取りやすいように意識して下さい。
その中で早い速度はこのくらい、遅い速度はこのくらいと感覚で調整していきます。
逆に読みの速度は1分間に300文字ペースで、と言われた方が分かりにくいですよね?
私はとても分かりにくく感じました。笑
ちなみに、テレビアナウンサーは1分間に300後半〜400文字前後が多いです。
子供が相手なので、アナウンサーよりも若干遅めを読み聞かせ速度の基準にした方がベストでしょう。
また、速い速度で読んだ時の聞き手は、
- 知的な感じになる。
- 面白さや滑稽さを感じる。
という印象も持ちやすくなります。
場面でうまく使い分けましょう。
まとめ
- 読み聞かせは子供の精神発達にとても重要である。
- 想像力が育ち、感情豊かになりやすい。
- 読み聞かせ速度を場面に応じて変えると、よりイメージしやすくなる。
- 暗い・寂しいなどの場面ではゆっくりと話す。
- 明るい・楽しいなどの場面では速めに話す。
- 数値で表すと大体1分間に300文字くらい。
- テレビアナウンサーよりも若干ゆっくり目を基準としよう。
最後に
読み聞かせは子供に対して、様々な効果を発揮します。
出来るだけ、お子さんに沢山の本を読み聞かせてあげて下さい。
今回紹介した読み聞かせ速度を変える事により、より物語のイメージを膨らませやすくする事ができます。
イメージを膨らませる事は、子供の想像力や感情の豊かさに影響するので、とても重要ですね。
読み聞かせをする時は場面に応じた読み聞かせ速度をうまく調節して下さい。
しかし、一番大事なのは、より多くの絵本と出会う事です。
世の中には数え切れない程の絵本が存在しているでしょう。
そして、どれも同じ物は存在しません。
是非、お子さんにより多くの絵本を読み聞かせてあげて下さい。